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蔵王における樹氷研究
日本地下水開発株式会社では、1997/1998冬季から蔵王山の地蔵山付近で樹氷と積雪の観測を続けています。目的は、1995年に山形大学理学部の矢野勝俊准教授が指摘した、地球温暖化に起因するとみられる樹氷形成の下限標高の上昇が、その後どのように変化しているかを明らかにし、併せて気温上昇傾向と山地積雪変動との関連性の有無を明らかにすることです。
■樹氷山の樹氷(2020年2月12日撮影)
樹氷の高度変化観測
地蔵山からザンゲ坂、樹氷原コースと続くスキーコースに沿って、樹氷の高度変化を観測しています。2020年2月12日の樹氷の形成状況をご覧下さい。最近の樹氷形成下限は、標高1550m付近で推移しています。
- ■標高1,661m(地蔵山頂駅)
- ■標高1,630m
- ■標高1,590m
- ■標高1,560m(昨冬季の下限標高)
- ■標高1,550m
- ■標高1,535m
積雪断面観測
山形大学理学部が断面観測を実施していた同一箇所において、1997/1998冬季から積雪断面観測を実施しています。積雪の構造や雪質、雪温、硬度、密度などを測定し、毎年の変化を観測します。
アオモリトドマツの状況確認
樹氷の骨格となるアオモリトドマツは、2013年~2016年にかけてトウヒツヅリヒメハマキ(蛾の一種)の幼虫による針葉の食害被害を受けて衰弱し、2016年以降はトドマツノキクイムシ(甲虫の一種)の幼虫による穿入被害によって枯死する個体も多くみられるようになりました。
日本地下水開発株式会社では、冬季だけでなく夏季にもアオモリトドマツの状況確認を行っています。
■立ち枯れているアオモリトドマツ(2020年4月3日撮影)